宮崎のJDへブーメラン大作戦 ~前編~
葉梅は
前日、味噌の街でストナンを経験したあと
すぐに九州に降り立った。
ほんの数時間前まで
女の子とふれあっていたことと睡眠不足も相まって
気分は上々↑↑
まさに
音鳴らせ、パーリナイ状態だった。
今回の旅は
サークルの仲間と男6人九州一周旅行。
福岡から始まり
熊本、鹿児島、宮崎、大分
そして福岡で締めるという3泊4日の旅だった。
※佐賀、長崎は時間と予算の都合上削りました。
初日。
博多空港に降り立ち
レンタカーを借りる。
大学4年間一緒にいた
男6人での旅というのはやはり良い。
気心が知れているし
なにより、葉梅以外、全員風俗大好き、という
下衆の集団だ。
今回の旅行も
下衆な旅になることが容易に予想できた。
意気揚々とレンタカーに乗り込む。
福岡→熊本の移動中
葉梅は爆睡。
性欲とテンションをしっかりとチャージした。
熊本城を観光し
熊本ラーメンを食す。
うん、良い感じに気分が上がってきた。
颯爽と運転席に乗り込み
熊本→鹿児島間の運転を引き受ける。
この気分上々さが
デリカにも伝わったのか
お互いしっかりと意思疎通をしあいながら
颯爽と高速道路を駆け抜ける。
ウーーーーーーーーー!!!!!!
ぱっとバックミラーを見ると
銀色のセダンの上に乗った赤いランプが目に留まった。
「覆面か、、、」
慌ててブレーキを踏むも
時すでに遅し、側道に誘導され、パトカーに連れ込まれた。
「何キロ出ていたと思う?」
「下り坂だったんで、120キロくらいですかね、、、えへ、、、(照)」
「君は大谷翔平を目指しているのか?」
「え?」
「158キロだよ」
「え、あ、お巡りさん上手いですね」
「まあでも赤灯点灯させて、違反速度確定しようとした瞬間に君はブレーキを踏んだ。だから計測値は128キロだ。3点減点の1万8千円の罰金だ。運が良いな。これから先の旅行は安全運転で頼むぞ」
「すみません、ありがとうございます」
名もない良心的な警察官の言葉を胸に秘め
その後は安全運転で旅を続けた。
―2日目―
初日は睡眠不足で
すぐに寝落ちしてしまった。
朝を迎え
鹿児島→宮崎へと向かう。
まずは腹ごしらえ、ということで
チキン南蛮で有名な洋食屋さんに向かう。
店が暗い。
そう、この日は休業日だった。
しかし、これが葉梅と宮崎のJD、天然子とを引き合わせてくれた。
チキン南蛮を食べたい欲は抑えきれず
周囲でチキン南蛮を取り扱っている店が無いか探した。
すると
割と近い所に
少しお洒落な店構えをしたカフェ兼洋食屋を発見する。
メニューを見ると、チキン南蛮もあった。
「ここにしよう」
よほどお腹がすいていたのか
この言葉に異論を唱える者はおらず
この店に吸い込まれるように入って行った。
「いらっしゃいませ~!」
元気な声が店内に響いた。
連れだって入った男6人、全員が一瞬立ち止まる。
「・・・かわいい」
満場一致の意見だった。
これが葉梅と天然子の出会いである。
そのまま天然子は僕らのテーブルを担当してくれた。
「今日は旅行ですか?」
「そうですよ~。お姉さんも旅行?」
「いやいや違います(笑)大学生です(笑)」
「へぇ~宮崎にも大学ってあるんだ」
「うわっ!失礼(笑)!」
最初の会話はこんな感じだった。
そのあとは
天然子が料理を運んでくるたびに一言二言交わし
徐々に和んでいった。
そして
ジョンに教えて貰ったブーメランを使うことを思い立つ。
「あ、お姉さん!ペン貸して!」
「ペンですか?はい!どうぞ!」
そのペンで
―お姉さんの笑顔で食事が一層美味しくなりました!今日はまだ宮崎にいるんで良かったらLINEしてください。夜ご飯でも行きましょ!―
と記し、折りたたむ。
折りたたんだ紙をペンにはさみ
天然子に返す。
「ペンありがと」
「はーい!あれ?紙がはさまってる」
「それバイト終わったら読んで」
「・・・え?」
そして野郎共は
プロ野球のキャンプ場に向かった。
葉梅は
野球をやってはいたが
観戦は好きではないため
ほとんどプロ野球を見ない。
何よりも興味がない。
そのため
寒さに耐えきれず
いち早く、車へと退散した。
ブーブー
暖房をつけ
車内が少し温まって
眠気が葉梅を襲ってきたときにスマホが鳴った。
ディスプレイを見ると
知らない女の子からLINEが、、、
そう昼間のあのかわいい天然JDからだった。
「よし」
煙草に火をつけ
深呼吸をして、気合をいれる。
試合開始のゴングは鳴った。
「さあ、ゲームの始まりだ」
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へ続く
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